「認定こども園」って知ってます?
あんまり聞いたことのない施設ですよね。
新制度では「認定こども園の普及」を取り組みの一つとしています。
「認定こども園」とは、幼稚園と保育所の機能をあわせ持つ施設とされています。
ん~・・・わかるような?わからんような?
そもそも、幼稚園と保育所ってどう違うのでしょう?
幼稚園とは、幼児期の教育を行う学校で、対象年齢は満3歳~5歳。
年齢だけが条件で、だれでも利用することができます。
保育所とは、保護者の代わりに保育をする施設で、対象年齢は0歳~5歳。
共働き世帯など家庭で保育ができないことが利用できる条件です。
「認定こども園」では、0歳~2歳までは保育所として子どもを保育し、3歳からは幼稚園として子どもに教育をします。
1号認定の子どもと2号認定の子ども、どちらも教育を受けることができて、保護者のお迎えがくるまで園で過ごすことができるようになります。
幼稚園スペース、保育所スペースと分けている園の場合は、「14時以降は保育スペースへ移動する」としている園も多くあるようです。
それから、「認定こども園」は満3歳以上の場合、仕事をしていること(就労)などの利用条件がありません。
利用している途中で仕事をやめても、卒園まで利用することを続けられます。
これまでは、「仕事をしているから子どもは保育所」とまるで決まっているようでしたが、これからは仕事をしていても幼稚園の教育を受けることができます。
幼稚園は小学校と同じように、幼児期の「学校」なので教育しなければいけない時間が年間39週以上と決まっていたり、園によって独自の教育方針やカリキュラムを持っています。
学校法人(大学や高校など)の付属幼稚園や、宗教の教えを大事にしている幼稚園、音楽教育に力を入れている幼稚園など様々な幼稚園が「認定こども園」となり、保護者はどの園で子どもに教育を受けさせるかを選ぶことができますね。
先生も幼稚園は「幼稚園教諭」、保育所は「保育士」と違っていますが、認定こども園では両方の免許を持つ「保育教諭」です。(法施行後5年間は経過措置があります)
では実際に見てみよう!ということで、平成26年現在では熊本市唯一の認定こども園「北部幼稚園」(熊本市北区)へお邪魔しました!
質問にお答えいただいたのは、園長・清田明子先生です。
※以下は北部幼稚園についてのお話です。施設や取り組み、時間などは施設によって異なります。施設選びのときに、利用したい施設にパンフレットをもらったり、担当の先生へ確認をしてみてください。
お邪魔してまず思ったのは、園庭が広い!駐車場も広い!(送迎する親としてはありがたい・・・。)そして先生も多い!
裏の畑も園の畑で、園児と「焼き芋」をして食べたりもするんですよ。
園児たちの細かいケアができるように、市の規則で決まっているよりも多くの先生に活躍してもらっています。
平成20年からなぜ「認定こども園」にしたのですか?
もともと幼児の世界は働く、働かないにかかわらず、子どもに大切な環境を用意する場所ですから、自分の子育て経験も含め、0歳~5歳まで途切れの無い保育教育環境を作ることが北部学園の理念としてありました。
実際3年間やってきた中で、この幼保一体化の動きが急速に進み、結果として認定こども園になりました。
また、3歳以上児の教育の質が問われているこの制度は、「教育」とは何かを考える大切な要素になり、実体験を通して子どもの感性を育てる教育内容をより一層深められると思いました。
認定こども園での一日はどのように過ごしますか?
早い子どもは7:30から登園して、9:30からが教育の時間です。
課題に取り組んだり、自然の中で遊んだりしながら学ぶことも多くあります。
そして給食の時間はクラスで食べます。年長クラスは自分たちで自分たちの給食を準備するんですよ。
当園は給食室がありますので、そこで調理をして毎日提供しています。
安全・安心な食材にこだわり、野菜・肉・牛乳まで安心なものを使用しています。
それから午後の遊びの時間の始まりです。14時頃には降園のバスで帰る子、お迎えの子たちは帰りますが、夕方にお迎えの子たちは保育活動を始めます。
教育の時間と保育の時間では先生が違うのですか?
各クラス担任を2名制にし、1号認定・2号認定の子どもたちが安心して教育と保育が受けられるように職員体制を作っています。どの先生も同じように園児に教育し、見守っています。
幼稚園では夏休みや冬休み、春休みがありますが、保育を必要とする子はどうしていますか?
幼稚園として利用している子はお休みですが、保育を必要としている子の場合は利用することができます。
たとえば、日曜日に行事があって月曜日を代休とする場合も、幼稚園としては休みですが保育所としては利用できます。
幼稚園といえば、平日に保護者が参加する行事が多いのでは?
運動会などは日曜日に行いますが、平日に保護者の方も子どもたちと一緒に参加できる行事をすることもあります。
しかし、この行事は保護者と子どもが一緒に経験する、子どもと関ることのできるとても大事な機会なのです。
仕事をちょっとだけ休んで参加することができれば、その意義を感じてもらえます。
仕事をしている保護者とそうでない保護者では、保護者の係や役割がかたよることはありませんか?
当園では保護者のネットワークをつくり、お互いにフォローしあえる関係づくりをしています。
「一人一役係」としてみなさんに何らかの形で協力していただくこともありますし、自主的に活動してくださる保護者の方もいらっしゃいます。
夏の年長児のキャンプや冬の「どんどや」では、特にお父さんに活躍していただいています。
「幼稚園だけ」「保育所だけ」しか知らない保護者にとっては、わからないことが多いですよね。
思い込みや固定概念があるため、「こういうところなんでしょ?」と考えてしまいがちです。
しかし、実際に見てみると子どもたちがのびのびと、楽しみながら学び、成長できる場所でした。
小学校に入ったらたまに耳にする「あぁ、あの子は幼稚園育ちだけん、わがままなのよ」や「きっとあの子は保育所育ちだけん、親が子どもの世話ばできとらっさんとよ」も、通っていた施設によるものではなく、家庭での親子の関わり方によるものでしょう。
認定こども園では、働いているママたちと働いていないママたちが同じ施設の保護者になるのですから、互いにフォローしあい、仲間として一緒に子育てができる環境づくりも必要ですね。
最後に・・・だからって、保育所では幼児教育や学習ができないのかというと、そういうわけでもないんですよ。
行政のルールとして幼稚園と保育所では目的が違うということであって、保育所では幼児教育や学習をしてはいけないとは決まっていませんし、実際に保育時間の中では幼児教育や学習の機会はたくさんあります。
ものや動物の名前を覚えることも、文字の読み書き、英語や体育、日本や外国文化に触れたりと保育所でも積極的に取り組んでいて、幼稚園と同じように、保育所も特色ある教育方針やカリキュラムを持っています。
この新制度のおかげで、選べる施設の選択肢が広がりました。
子どもにとって、ママたち保護者にとって「いいなっ♪」と思える施設を選んでください。
☆ADVISOR☆ 北部幼稚園 園長 清田 明子さん ホームページ: http://www.hokubu-kindergarten.com/ |