病気を治すためには欠かせない薬ですが、うまく飲ませられないこともありますよね。
でも、ちゃんと飲まないとなかなか治らなかったり、悪化することも。
どうしたら上手に飲ませることができるのかを、けやき通り薬局(熊本市南区)の薬剤師さんに聞いてきました!
薬を飲ませるときのコツってありますか?
<粉薬>
赤ちゃんのときは、水に溶かしてお口に入れてあげてください。
あげるときは、スポイトや哺乳瓶の乳首に入れると上手に吸ってくれる子もいます。
コップを持てるくらいになったら、スポイトを持たせて自分で吸ってもらったり、小さなおちょこや小さめのドリンクの空き容器に入れると自分で楽しみながら飲んでくれます。
もともと甘い味付けがしてある薬がほとんどなので、水に溶かすだけでも十分甘い味がするんですよ。
苦い薬の場合は、チョコレートや冷ましたココア、練乳、アイスクリームなどで苦みをごまかしてあげると、飲みやすくなりますよ。
他にも味噌汁やきなこ、ジャム、シロップ、ヨーグルト、はちみつ(1歳未満には与えないでください)で混ぜると飲んでくれる子もいます。
その子の好きな味はママが一番よく知っているはずですから、どうしてもうまく飲めない時は混ぜてみてください。
そして薬で混ぜたものは放置せずに、すぐに飲ませてくださいね。
スポイトは薬局で販売していることもありますし、薬を上手に飲むためのゼリーやオブラートもありますが、その子によって好みもありますので試してみてください。
<シロップ>
赤ちゃんの場合は、粉薬と同じようにスポイトなどで上手に飲ませることができます。
中には、シロップが甘すぎて嫌がる子もいますので、水や白湯で薄めてあげると飲みやすくなることもあります。
<錠剤・カプセル>
6,7歳になると、粉薬よりも錠剤のほうが飲みやすいと感じる子もいます。
ママがサプリメントやラムネ菓子などでお手本をみせてあげるとわかりやすく伝えられますね。
錠剤は水と一緒に口に含むと下へ沈むので、上を向いて飲み込むと飲みやすく、逆にカプセルは水と一緒に口に含むと上へ浮くので、下を向いて飲み込むと飲みやすいです。
薬を上手に飲ませるには、「自分は薬が飲めるんだ!」という自信をつけてもらうことが大事ですよ。
おやつをあげるときのように、ママは笑顔で。
そして、飲めたらたくさん褒めてあげてください。
一度や二度ダメだったからって「うちの子は薬が飲めない子」と決めつけずに挑戦してみましょう。
薬と一緒に飲ませてはいけないものはありますか?
粉薬を飲むとき、錠剤やカプセルを飲むとき、いずれも水か白湯で飲んでください。
薬によっては苦みが強くなったり、効果が弱くなったりして一緒に飲んではいけないものがありますので、薬剤師に尋ねてみましょう。
ミルクを飲んでいる乳児の場合も味が変わってミルク嫌いになるといけないので、出来れば白湯であげてください。
薬を飲ませたあとに嫌がってベーッと口から出したり、薬を飲んですぐに吐いてしまった場合はどうしたらいいですか?
嫌がって口から出したら、もう一度がんばってみましょう。
おう吐のある場合は、すぐにもう一度飲ませてもまた吐いてしまうかもしれませんので、少し時間を置いてから少しずつ飲ませましょう。
薬を飲ませる時間に寝ていたら、起こしてでも飲ませるべきですか?
いいえ、起こしてまで時間ピッタリに与えなくてもいいですよ。
とくに乳幼児の場合は、機嫌のいいときに食前でも食後でも構いません。
乳幼児でも食前・食後の指定がある場合や、飲ませる間隔が近すぎてはいけない場合もありますので、薬剤師にお尋ねください。
薬を飲ませた後、診察が必要な症状にはどんなものがありますか?
呼吸が苦しそう、顔やくちびるが青ざめた(チアノーゼ)、くちびるが腫れたなどいつもと違う様子が見られたら、かかりつけ医や緊急電話相談に相談してみてください。
一概に飲んだ薬の影響であるとは限らず、病気の症状の一つであったり、薬の添加物(味や色)へのアレルギーかもしれません。
保管方法で気をつけることはありますか?
直射日光の当たらない、小さい子が手の届かないところに置いてください。
よく台所に置いている方がいらっしゃいますが、炊飯器やポットの近くは気温が上がりやすく、湿気も多いので避けてくださいね。
それから、冷蔵庫も薬の種類によっては適していないものもありますので、「冷所保存」の指示があったもの以外は冷蔵庫に入れないでください。
目薬や坐薬も上手な与え方はありますか?
目薬は、閉じた目の中央に1滴たらして、下まぶたをちょっと引っ張ると目が少し開くので上手に入りますよ。
坐薬は、力を抜かせて「ラクになるよ~」と言い聞かせてあげてください。
指定量が2/3個など、カットするときはハサミでは割れやすいので、包装材から出す前に包装材ごとカッターでスパッと切ると上手にカットできます。
「お薬手帳」って必要ですか?
はい、必要です。
今まで飲んできた薬の種類や量、他の病院などから処方されて今飲んでいる薬がわかります。
今飲んでいる薬との相性や、効果が重複しているものがないかを確認できるんですね。
それに地震などの災害時にお薬手帳があったから、お薬がなくなったときにすぐに対応できた、ということもあるんですよ。
お薬の指定ってできるんですか?
「甘い薬にしてください」や「○○○(薬の名前)にしてください」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、薬局での指定はできません。
診察をした医師に頼むことはできるかもしれませんが、あまりおすすめしないです。
もっと効果のある薬を処方してもらえるかもしれないのに、治療の幅を狭くしてしまうことになってしまいます。
薬によって効果のある体の場所や効能が違いますから、せっかく飲むならその病気に効果のある薬がいいですよね。
小さい子どもにお薬を飲ませるとき、何と混ぜて飲ませるかばかりを考えていました。
でも、何と混ぜるかではなくて、どうしたら子どもが自分から飲もうと思うかが大事なんですね。
薬は「病気を治すものではなく、治療のサポートをするもの」だそうです。
病気を治すには、子ども本人とママの「病気に打ち勝つ力」も必要なんですね。
☆ADVISOR☆ けやき通り薬局 熊本市南区江越2丁目24-37 ホームページ: http://www.e-classa.net/keyaki-matsuyapharmacy/ |